コラム
介護情報基盤2026年度スタート——デジタル化する介護現場で「つながる保証」をどう担保するか
2026年度開始の「介護情報基盤」で介護現場の連携が変わる中、本人確認・本人アクセスの空白をどう埋めるか。高齢者デジタルデバイドへの現場対応と、「つながる保証」という考え方を解説します。
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3Dセキュア導入後、決済承認率が下がっていませんか? 見落とされがちな「運用方式」の選択肢とは?
2025年3月末、すべてのEC加盟店に対して3Dセキュア2.0(EMV 3-Dセキュア)の導入が義務化されました。 クレジットカードの不正利用被害額は2024年に555億円と過去最高を更新しており、義務化そのものは避けられない流れでした。 しかし、対応を終えた多くのEC事業者が今、別の問題に直面しています。 「3Dセキュアを入れたのに、CVR(コンバージョン率)が下がったまま戻らない」「カゴ落ちが増えた実感がある」――こうした声が、導入後に急増しています。 実は、3Dセキュアには複数の運用方式があり、どの方式を選ぶかによって売上への影響はまったく異なります。 本記事では、JCA(日本クレジット協会)が定める3つの運用方式の違いと、CVR低下の構造的な原因、そして売上を回復させるためのアプローチを解説します。 1.3Dセキュア義務化後にEC事業者が直面している現実 義務化は「対応して終わり」ではなかった 3Dセキュア2.0の導入義務化により、多くのEC事業者がシステム対応を完了しました。 しかし、導入後の月次レポートを見ると、CVRが導入前の水準に戻っていないケースが少なくありません。 YTGATE社の調査によると、EMV 3-Dセキュア導入後に決済承認率が95%台から85%前後へ低下し、8割の加盟店が「カゴ落ちが増えた」と実感しています。 65%以上の消費者が認証エラーを経験しているというデータもあり、「義務化対応=問題解決」とはなっていないのが実態です。 3Dセキュアは不正利用を防ぐための仕組みですが、導入しただけでは売上への悪影響を最小化できない――この認識が、まず重要な出発点になります。 3Dセキュアの運用方式は「1つ」ではない 見落とされがちですが、JCA(日本クレジット協会)は3Dセキュアの運用について、不正対策のレベルに応じた3つの方式を認めています。 「方式①(リスク判断で認証)」は、包括的な不正防止体制が整っている加盟店が対象で、最大98%の取引を3DS認証なしで処理できます。AI不正検知や24時間体制の運用が必要で、カード会社の個別承認も求められます。 「方式②(初回登録時だけ認証)」は、カード登録時のみ3DS認証を実施し、以降のリピート購入は加盟店のリスク判断で処理するモデルです。アカウント乗っ取り防止(ATO対策)の実装が前提条件となります。 「方式③(毎回認証)」は、すべての決済で3DS認証を通すデフォルト運用です。特別な条件はなく、方式①②に該当しない加盟店は自動的にここに分類されます。 現在、大半のEC事業者はこの方式③で運用しています。 そして方式③こそが、CVR低下の構造的な原因になっています。 方式③がCVRを押し下げる「二重の痛み」 方式③で運用する加盟店は、2つの要因の掛け算で売上を失っています。 1つ目は、「追加認証を求められる割合の高さ」です。 3Dセキュア2.0ではリスクベース認証が導入されており、低リスクと判定された取引は追加認証なし(フリクションレス)で通過します。しかし、世界平均でも認証なしで通過できる割合は58〜64%にとどまっています(Ravelin社グローバル決済レポート)。つまり、全取引の約40%で追加認証が発生しているのが現状です。 3Dセキュア2.0のチャレンジ認証は、従来の固定パスワード方式から、ワンタイムパスワード(OTP)や生体認証へと移行が進んでいます。OTPはSMS・メール・専用アプリで発行され、「パスワードを忘れて離脱する」という1.0時代の課題は改善されました。 しかし、OTPには別の離脱要因が存在します。SMSが届かない(スパム判定・電波状況)、認証アプリの事前設定をしていない、メールの受信に気づかない――こうした理由で認証が完了できず、離脱するケースが依然として発生しています。 2つ目は、「追加認証画面での離脱率」です。 OTPや認証画面に遷移した利用者のうち、15〜25%が離脱すると報告されています。特に60代以上のカード会員では3Dセキュアの登録率自体がわずか約16%にとどまっており(かっこ社調査)、高単価商材や健康食品など、高齢者層が主要顧客であるECサイトへの影響は深刻です。...
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不正ログイン対策、もう先延ばしできない セキュリティチェックリストが届いたEC加盟店へ【202...
近年、不正ログインや不正利用への対策は、一部の大手事業者だけの課題ではなく、規模を問わずすべてのEC加盟店に求められるテーマになっています。2025年3月に公表されたクレジットカード・セキュリティガイドライン6.0では、3Dセキュアの義務化に加え、不正ログイン対策も必須要件として明確化されました。その影響を受け、決済代行会社(PSP)からセキュリティチェックリストが送付され、各加盟店の対策状況を確認する動きが広がっています。 本記事では、なぜ今このタイミングで不正ログイン対策が求められているのか、その背景を整理したうえで、売上と両立し得る現実的な選択肢を考えていきます。 1. なぜ今、EC加盟店は不正ログイン対策に「向き合わざるを得ない」状況になっているのか 義務化を理解しつつも対応を後回しにしてきた背景 不正ログイン対策や本人認証の強化が求められる流れ自体は、2024年から2025年にかけて、すでに業界内で広く共有されていました。実際、経済産業省のガイドライン改訂や、不正利用被害額の増加といった情報に触れ、3Dセキュアについては対応を完了しているEC加盟店は少なくありません。一方で、不正ログイン対策については、具体的に何をどこまで実装すべきか判断が難しく、CV低下や離脱増加への懸念から、後回しにされがちな領域でもありました。とくに中小規模のECでは、ログインや購入フローに手間が増えることが、そのまま売上減少につながるという感覚が根強くあります。 認証を強化した結果、初回購入やリピート初期で離脱が増えたという話を見聞きし、「セキュリティは重要だが、事業への影響が大きい施策は選びにくい」と判断するのは、当時としては決して不自然な選択ではありませんでした。 結果として多くのEC加盟店は、不正ログイン対策の必要性を理解しつつも、「いずれ対応すべきだが、今ではない」という判断を続けてきたのです。 決済代行会社からのチェックリスト送付が意味するもの 近年、決済代行会社(PSP)からセキュリティチェックリストが送付されるケースが増えています。このチェックリストは、不正ログイン対策や本人認証の実装状況を確認するための書類であり、多くの場合、「Yes」「No」での明確な回答が求められます。 重要なのは、これが単なる形式的な書類提出ではなくなっている点です。 これまで「推奨」や「努力目標」とされてきた対策が、実際に実装されているかどうかを確認・管理する対象へと変わりました。書類上でYesと回答する以上、実運用や仕組みが伴っていることが前提となります。 その結果、セキュリティ対策は加盟店の自主判断に委ねられるものではなく、PSPによって確認される事項として扱われるようになりました。 さらに、チェックリストには提出期限が設けられるケースもあり、これまでのように判断を先延ばしにすることが難しくなっています。 これ以上先延ばしにできない状況で起こり得るリスク セキュリティチェックリストを提出しない、あるいは実装が確認できない場合、PSP側から不正対策未実施と判断される可能性があります。 PSPは多数の加盟店を抱えているため、すべてを個別に精査することは現実的ではなく、判断はどうしても書類ベースにならざるを得ません。 その結果、対策状況が不明確な加盟店は、リスクの高い取引先として内部管理されることになります。即時ではなくとも、状況次第では段階的な制限がかかり、決済停止や利用制限に発展することもあります。 一度停止や制限がかかった場合、その解除には追加資料の提出や再審査が必要となり、想像以上の時間と工数を要するケースも少なくありません。 決済が止まることで発生する売上損失は、事前に対策を講じておくためのコストを大きく上回ることもあります。 こうした背景から、現在は不正被害が発生してから対応するのではなく、未然に防ぐことが前提となっています。 2. IP制限やMFAでは踏み切れない、不正ログイン対策のジレンマ IPアドレス制限が実運用で機能しにくくなっている理由 IPアドレス制限は、比較的導入が容易でコストも抑えやすいことから、不正ログイン対策の第一歩として多くのEC加盟店に採用されてきました。 大きなシステム改修を伴わずに導入できる点は、特に中小規模の事業者にとって現実的な選択肢だったと言えます。また、「海外IPを遮断すれば一定の不正は防げる」という考え方も、過去には一定の効果を発揮してきました。 しかし現在では、VPNやプロキシ、ボットを用いて国内IPや正規ユーザーと同じ地域からアクセスする手法が一般的になり、「海外IP=怪しい」という単純な判別は通用しなくなっています。加えて、モバイル回線ではIPアドレスが頻繁に変動するため、正規ユーザーを誤って遮断してしまうケースも少なくありません。 その結果、IP制限はチェックリスト上では「対策済み」と回答できる一方で、実運用においては不安が残る対策になりやすくなっています。 本人確認を行う仕組みではない以上、手法を変えた不正を完全に防ぐことは難しいのです。 多要素認証(MFA)が離脱やCV低下につながりやすい現実...
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公的個人認証(JPKI)とは?仕組み、最新動向、課題を詳しく解説
近年、フィッシング詐欺やなりすましなど、インターネット上の不正行為が増加し社会問題となっています。そこで注目されているのが、マイナンバーカードに格納されている電子証明書を利用する公的個人認証(JPKI)です。本記事では、JPKIの仕組みや最新動向を解説するとともに、実効性や課題についても掘り下げてご紹介していきます。 1.公的個人認証(JPKI)の最新動向 公的個人認証とは 公的個人認証(JPKI)は、インターネット上で本人認証を安全かつ確実に行うためのシステムです。行政手続きやオンラインサービスでの認証が効率化され、不正アクセスや情報漏洩のリスクを軽減します。紙媒体で行われていた申請や手続きをオンライン化することも可能となり、利便性が向上するだけでなく、手続きの透明性や正確性も高まります。 JPKIでは、マイナンバーカードのICチップに格納された電子証明書を使い、利用者が暗証番号を入力することで本人認証を行います。公開鍵暗号方式が採用され、「公開鍵」と「秘密鍵」というペアが用いられます。 公開鍵はシステム側で使用される一方、秘密鍵はICチップ内に厳重に保管され、外部からアクセスできません。認証時にはこの2つが連携して動作し、不正アクセスやデータの改ざんを防ぐ仕組みが実現されています。 基本的な使い方 公的個人認証(JPKI)を利用するには、初期設定が必要です。まず、市区町村の窓口でマイナンバーカードを発行する際に、カード内のICチップに電子証明書を登録します。この際に、署名用と利用者証明用それぞれの暗証番号を設定します。署名用には6~16桁、利用者証明用には4桁の暗証番号が必要です。 利用環境に応じて、カードを読み取るためのICカードリーダーやNFC対応スマートフォンを準備。一部のスマートフォンでは専用アプリのインストールが求められる場合もあります。 利用時には、対応するウェブサービスやアプリを開き、マイナンバーカードをカードリーダーやスマートフォンにセットします。画面の指示に従い、設定した暗証番号を入力することで、電子証明書が読み取られ、本人認証が完了。 初期設定を終えれば、以降の利用は暗証番号の入力だけでスムーズに進められます。 最新動向について 公的個人認証(JPKI)の利用に必要となるマイナンバーカードは、普及が着実に進んでいます。総務省の発表によると、保有率は人口の70%を超えており、健康保険証としての利用が開始されたことは、マイナンバーカードの普及をさらに後押しする要因となっています。 また、地方自治体や政府による行政手続きのデジタル化が進み、住民票や戸籍謄本のオンライン取得、電子申告(e-Tax)など、JPKIが必要とされるシーンが増加。銀行口座の開設やクレジットカード申し込みなど、民間サービスでの利用も増え、行政以外の場面でもJPKIが身近な存在になりつつあります。 2024年5月には、Appleが2025年春後半から日本でAppleウォレットにマイナンバーカードを追加できる機能を展開すると発表しました。iPhoneユーザーはマイナンバーカードをウォレットに追加し、対面やiOSアプリ上で安全かつ便利に身分証明書を提示できるようになります。 Face IDやTouch IDによる認証と非接触リーダーを活用した仕組みは、物理カードを持ち歩く必要をなくし、利便性を大きく向上させ、JPKIの普及促進にもつながると期待されています。 2.JPKIが抱える課題 マイナンバーカードの普及率やリテラシーの問題 マイナンバーカードの普及率は人口の70%を超えていますが、本人認証の利用において取り残される人々の存在が課題となっています。普及率が90%を超える携帯電話と比較すると、マイナンバーカードが行き渡っていない層が依然として多いのが実態です。 特に、高齢者やデジタル機器に不慣れな層では、カードの申請や暗証番号の設定、電子証明書を活用した認証操作に対する負担感が大きく、複雑で難しいと感じられる場合が少なくありません。また、地方部ではカードの利用機会が限られており、本人認証の必要性や利便性が十分に伝わっていないことが障壁となっています。 これらの課題は、JPKIを活用した本人認証の普及を進める上で大きな課題となっています。 暗証番号が必要 JPKIを利用する際には、マイナンバーカードのICチップに格納された電子証明書を読み取る必要があります。その際、利用者証明用電子証明書を使用するために設定された「4桁の暗証番号」が求められます。問題となるのが、暗証番号が他人に漏えいした場合のリスクです。暗証番号が漏えいすると、第三者がなりすましを行い、本人になり代わってマイナンバーカードを利用できる可能性があります。また、多くの人が暗証番号として誕生日や簡単な数字の組み合わせを設定しがちであるため、推測されやすいケースも少なくありません。このような設定は特にフィッシング詐欺などの手口に対して脆弱性を持ち、JPKIの安全性に影響を及ぼす懸念があります。 電子証明書の有効期限 JPKIを利用する際に必要な電子証明書には、有効期限が設定されています。マイナンバーカードに格納された電子証明書は、署名用電子証明書が5年、利用者証明用電子証明書が発行から5年またはマイナンバーカードの有効期限までという制限があります。有効期限が切れると、本人認証や署名機能が使用できなくなり、再発行手続きが必要です。 有効期限の存在は、セキュリティを維持するための重要な仕組みですが、利用者にとっては更新手続きの手間や期限切れのリスクが課題となっています。期限を忘れてしまった場合、必要なタイミングで電子証明書が使えなくなる可能性があるため、利用者にとって大きな不便を伴うことがあります。 運用基盤の安定性 JPKIを利用した本人認証では、マイナンバーカードの電子証明書を支える公的個人認証サービスの運用基盤の処理能力と信頼性が重要です。この運用基盤は、電子証明書の発行や有効性確認を行う認証局や関連システムで構成されています。...
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急増するマッチングアプリ詐欺被害への本人認証対策
急成長を遂げるマッチングアプリ市場。その利便性を悪用した詐欺被害が深刻化しており、政府も規制強化やマイナンバーカード活用の推進に動き出しています。しかし、従来の本人認証手段では防ぎきれない巧妙な手口が増加しており、新たな対策が必要です。本記事では、最新の詐欺事例、現行の認証技術の課題、事業者に向けた解決策を紹介します。 1.マッチングアプリ詐欺被害の実態 マッチングアプリ市場の拡大 マッチングアプリ市場は、近年急速に拡大しています。株式会社タップルの調査によれば、2021年の市場規模は768億円で、2026年には1,657億円に達するとの予測です。大手アプリ「Pairs」は累計1,500万人以上の会員を抱え、100万人超の利用者がいるサービスも多数存在します。 拡大の背景には、メディアでの露出増加による認知度向上や、新規参入のハードルが低いことが挙げられます。 特に、コロナ禍を機にオンラインでの出会いが広がり、今では若年層に限らず、幅広い年代が利用するようになっています。さらに、低価格な月額料金や無料プランの提供により、手軽に試しやすいことも市場の成長を支えている要因です。 マッチングアプリ詐欺被害の急増 マッチングアプリの利用増とともに詐欺被害が増加の一途をたどっています。 利用者がアプリを通じて知り合った相手と、直接会うことなくメッセージを重ねるうちに、親密さや恋愛感情を抱き、最終的に金銭などを騙し取られる事例が後を絶ちません。「警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ」によると、こうした被害に遭うのは男性が約6割、女性が約4割で、男女を問わず被害が広がっています。詐欺師がターゲットと接触する手段として最も多く利用しているのはマッチングアプリであり、SNSよりも高い割合を占めています。 さらに、実際に金銭被害に遭わなくても、マッチングアプリを通じてネットワークビジネスや投資の勧誘、金銭の貸し出し依頼を受けるなど、詐欺に巻き込まれそうになるケースも数多く報告されています。 マッチングアプリ詐欺の被害事例 以下は国民生活センターに寄せられた詐欺被害の事例です。オンラインでのやり取りでは相手の身元確認が不十分だとリスクが高く、また相手の足取りを確認しづらいため、問題が発生した際に追跡が困難になる点に留意が必要です。 ケース1 マッチングアプリで日本在住のワイン輸入業者の役員を名乗るイギリス人男性と知り合い、無料メッセージアプリで連絡を取り合うようになりました。彼は「結婚後に資金を出し合って投資しよう」と提案し、ユーザーは暗号資産を130万円、さらに男性に会うために追加で40万円を送金しました。その後、「新型コロナに感染したので会えない」と連絡があり、翌月にも追加の送金を求められ、20万円を送った後、男性との連絡が途絶えました。 ケース2 マッチングアプリで知り合った中国人女性に、FX取引で儲けていると勧められ、彼女の指示でスマホに取引アプリをインストールしました。アドバイザーと称する人物とも連絡を取り、まず10万円、その後さらに200万円を国内の外国人名義の口座に振り込みました。アプリ内で利益が出ているのを確認し、出金を依頼しましたが、返信が来なくなりました。 2.現状の本人認証における課題 eKYCの課題 マッチングアプリでは近年、eKYC(electronic Know Your Customer、電子的な本人確認)を採用し、アプリ利用者の身元確認を行っています。eKYCは、利用者が身分証明書の写真を提出し、顔認証やAIによる照合を行うことで、迅速かつ効率的に本人確認を完了する仕組みです。 現在のeKYCシステムは、高度な画像解析技術やAIを用いて偽造書類の検出を試みていますが、偽造技術も同時に進化しています。結局のところ、画像そのものは匿名であり本人確認の信頼性がなく、なりすましのリスクを完全に排除することは不可能です。 最近ではマイナンバーカードを含む偽造書類の製造工場が摘発される事例も多く報じられており、高度な偽造書類が市場に出回っています。中にはWebサイトを開設し、偽造書類の作成を請け負う業者まで出てきている始末です。今や誰でも簡単に偽造書類を入手できる時代になっているのです。 政府はマイナンバーカードの活用を推進 2024年9月13日、河野太郎デジタル大臣は、恋愛マッチングアプリでのロマンス詐欺を抑止するため、本人確認にマイナンバーカードを活用するよう働きかける方針を示しました。デジタル庁と警察庁がマッチングアプリ事業者団体に要請し、ICチップ読み取りや公的個人認証サービスの利用で、安全性や信頼性が向上することを強調しました。 ICチップの読み取りに対応するなどすれば、現在よりも安全性は一定程度高まるものの、依然として課題は存在します。 電子証明書には「4桁の暗証番号」が必要 マイナンバーカードの電子証明書は、カード内のICチップに記録されており、オンラインでの本人確認や行政手続きに活用される機能です。これにより、公的個人認証サービスなどを通じて、インターネット上で安全に身元確認が行え、電子申請や証明が可能となります。 電子証明書を利用する際には「4桁の暗証番号」が必要ですが、この暗証番号が漏えいすると、カードの現物が他人に奪われた場合には、悪用されるリスクが生じます。カードを安全に保管することはもちろん、暗証番号は誕生日など簡単に推測されないものに設定し、他人に知られないよう十分注意する必要があります。...
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携帯電話の不正契約防止へ - 総務省、非対面時の本人確認をマイナンバーカードに一本化する案を公表
近年、特殊詐欺による被害が頻発し、ニュースで目にしない日はないと言っても過言ではありません。こうした事態を受け、政府は2024年6月18日に「国民を詐欺から守るための総合対策」を発表しました。さらに、6月20日には総務省が「不適正利用対策に関するワーキンググループ(第6回)」を開催し、携帯電話不正利用防止法に基づく本人確認の見直し案を公開しました。本記事では、これらの背景や具体的な対策内容について解説します。 1.携帯電話契約の本人確認、見直しの背景と方向性 詐欺被害が増加している原因のひとつに、他人の個人情報を利用して不正に入手された携帯電話の存在があります。被害の拡大を食い止める手段の1つとして、現在は携帯電話契約時の本人確認の重要性が問われています。実際の詐欺被害の件数推移と事件の例を見てみましょう。 不正入手した携帯電話を通じた詐欺被害の拡大 警察庁によると、SNSを悪用した詐欺被害は今年の1〜4月で2508件発生しており、被害総額は約334億円に上っています。その詐欺行為のほとんどが不正に入手した携帯電話から行われ、1日に約3億円が被害に遭っている計算になります。政府としては、この不正入手経路を断つためにも、マイナンバーカード等による契約時の本人確認手段の厳格化が不可欠と考えています。 出典:SNS型投資詐欺の認知件数と被害額の推移(KYODONEWS)大阪府八尾市議会議員の松田のりゆき氏は、偽造マイナンバーカードによる「SIMスワップ」詐欺の被害に遭いました。SIMスワップ詐欺は、悪意のある第三者が被害者の携帯電話番号を乗っ取り、そのSIMカードを新しいカードに交換する手法です。攻撃者は松田氏が市民相談のためにホームページに公開していた個人情報を使って偽造マイナンバーカードを作成し、それを店側に見せることで勝手に機種変更を行いました。犯人はそのまま電子マネーの不正利用や高級腕時計の購入などを行い、被害額は少なくとも2日間で240万円に達しました。この事件の背景には、マイナカードの目視だけで本人確認のチェックが通ってしまったという問題があります。 本人確認方法に関する見直しの方向性 出典:総務省 「非対面」の本人確認手法はマイナカード一本化へ犯罪収益移転防止法や携帯電話不正利用防止法に基づく非対面の本人確認手法は、原則として、マイナンバーカードの公的個人認証に一本化する方針が打ち出されました。運転免許証などの送信や顔写真のない本人確認書類は廃止されます。一方、住民票の写しなど、偽造・改ざん対策が施された本人確認書類の原本の送付を受ける方法は、一定条件の下で引き続き利用可能です。 総務省の公開資料によると、廃止方針の背景には「精巧に偽変造された本人確認書類が悪用されている実態」という理由があります。写しについても偽造が容易であり、特に非対面では真贋を見破ることが難しいため、廃止する方針で進めると説明されています。 「対面」の本人確認ではICチップ情報の読取りを義務付け対面でも目視による本人確認ではなく、マイナンバーカードなどのICチップ情報の読み取りが義務付けられます。マイナンバーカード「など」に具体的にどのような身分証が含まれるのかは明記されていませんが、ICチップを搭載している免許証やパスポートが有力です。将来的にはICチップ読取りアプリの開発も検討されています。 2.不正契約の実態 現状の携帯電話契約には、不正リスクやコスト面で手続き上の問題がいくつか存在します。マイナンバーカードのIC認証を利用した手続きによってそれらがどのように解消されるのか、またInfront Securityにどのような効果を与えるかについて解説していきます。 非対面での本人確認の課題 非対面認証には主にセキュリティリスクと本人確認の精度に関する問題があります。セキュリティリスクとしては、フィッシング詐欺やスパイウェアによる個人情報の盗難が挙げられます。偽のウェブサイトやメールを使って個人情報を盗まれ、携帯電話の契約に不正利用されてしまうのです。本人確認の精度についても、他人が個人情報を用いて本人になりすますリスクや、提出された書類の真正性を確認する難しさがあります。 ユーザー体験の問題も重要です。非対面認証では、複数のステップや書類提出が必要なため、ユーザーにとって手続きが煩雑になりがちです。高齢者や技術に詳しくないユーザーにとっては、オンライン認証の手続きが難しいことも課題です。 非対面での本人確認において、セキュリティリスクとユーザー体験の向上を同時に実現するためには、高度な本人確認手段が必要となります。 対面での本人確認の課題 偽造書類のリスク対面での携帯電話契約では、運転免許証や健康保険証などが精巧に偽造され、不正に契約されてしまう事例が多数報告されています。店舗スタッフの経験やスキルに依存する本人確認方法では、確認の精度を一定に保つことも難しいのが実態です。特に忙しい時間帯や未経験のスタッフが対応する場合、チェック漏れや不十分な確認が発生しやすくなり、偽造書類による不正契約リスクが高くなりやすい傾向にあります。 時間とコストの増大対面での本人確認は、店舗にとっても顧客にとっても時間とコストがかかります。通常、複数の書類が手続きに必要となりますが、書類の確認や情報の入力には手間がかかり、スタッフの負担は大きいです。繁忙期には長時間に渡って顧客は手続きを待たざるを得ず、顧客満足度が低下しがちです。 プライバシーのリスク対面確認の際に個人情報が漏洩するリスクがあります。顧客が書類を店舗スタッフに提出する際に、周囲の人々に情報が見られる可能性があります。また、スタッフが誤って情報を漏らすこともあります。これらのリスクは、個人のプライバシーや情報セキュリティを脅かす要因となります。 マイナカード確認による効果 マイナンバーカードのIC認証は、携帯電話の不正契約に関連する多くのリスクを効果的に解決し、安全かつ効率的な本人確認を実現します。 1.セキュリティリスクの軽減 マイナンバーカードのICチップには高度な暗号化技術が使用されており、電子証明書が格納されています。偽造書類の使用やなりすましによる不正契約は、ICチップの正当性を確認することで回避可能です。例えば、カードリーダーやNFC対応スマートフォンを使用してICチップを読み取ることで、即座に真偽を確認できる仕組みです。 第三者に見られることなく、電子的に安全に本人確認を行うため、対面確認における個人情報の漏洩リスクも低減されます。 2.ユーザー体験の向上 IC認証を利用することで、手続きの簡素化が期待できます。複数のステップや書類提出が不要になり、スマートフォンやカードリーダーを通じて迅速に本人確認が行えるため、ユーザーの手間が減ります。高齢者や技術に詳しくないユーザーにとっても、比較的ハードルの低い手順です 3.人的エラーの削減...
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